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平林 遼 指揮者
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2018年2月8日木曜日

2月10日向けて最終確認メモ

グリーグのピュアで透明感溢れる書法によって描かれた、滑稽なイプセンの戯曲に添えられた組曲のストーリー、キャラクター、表情と、
人類史上誰も為しえなかった特異な形で、当時の独裁政権に対する反骨の碑を打ち立てたショスタコーヴィチの本心を、存分にお客さんに伝えられるよう、渾身の演奏を炸裂させましょう!
ペール・ギュント
朝:この曲のアクセント、ffは、音色が鋭すぎません。清涼感(?)溢れるサハラの朝をイメージして下さい。
オーセの死:主人公のお母さんが死んだ時の嘆きの曲ですが、箇所によってはフレーズを割と前に進めることで、ペールがセリフを喋っているように表現出来たらと思います。(練習で度々取り上げた通りです)
魔の山:前回を踏まえ、少しテンポを微調整して、落として本番に臨みたいと思います。その分で、グロテスクで滑稽なトロール達の表情を存分に表現して下さい。
特に注意すべきは、Bのpiu vivoから、一部打楽器など、テンポが定まらなかったことです。Bからテンポが上がりますが、入ってからは、stringendoが開始されるのはCからです。
イングリッドの嘆き(2組の1曲目):TP、5小節目、ppで吹きづらい感があると思うのですが、音大きくなって構わないので、リラックスして吹きやすいように出して下さい。 スタッカートついてますので、長すぎず
アラビアの踊り:前回、ちょっと色んな箇所がリズムというかテンポというかが、滑り気味だったので、リズミックな特徴を強めに意識なさって下さい。
Aからは、ffとppのコントラストになりますので、ppの方々は、思いっきり音量を落として下さい。
ペールの帰郷(嵐):sfや、sffの徹底があともう1息です、それだけお願いします。
嵐の中船にのっているところなので、鋭い風等の描写です。シャープに決めちゃってください。
ソルヴェイの歌:冒頭のソルヴェイの嘆きが気持ちを込めて、印象的に聴こえるように表現したいと思います。何十年ぶりかに帰ってきた恋人(ペール)が最後死ぬ時の音楽です。
25小節、お迎えが来ている音楽の入りで1stVLのsoloですが、実はppの中にクレッシェンド・デクレシェンドついています。ややこの表現が十分でなかったので、意識してみて下さい。
70小節は、冒頭pだったものが、mfなので、表現の決めどころですね、本番楽しみにしております。
ショスタコーヴィチ
(シンバル等、打楽器系で入りが違うところが前回あったように思いますので、お気をつけ頂ければと思います。おそらく1楽章27番や4楽章111番等、1小節速かったですかね。)
1楽章 1小節目:ベートーヴェンの運命の激烈な開始のイメージ、掴みからお客さんを引き込みたいです。硬質な音。
8小節目:ボーイングの都合でアクセントにならないように。
5番の1つ前、30から31小節は2小節セットと思って下さい。32小節のオーボエに受け渡すためのテンポを前にもっていく感じが本格化するのは31ですが、その前の小節から僅かに、テンポが前に行く気配が出ているとお考え下さい。
9小節目:弦楽器伴奏系、和音が変わるところは何かニュアンスを感じて音色の変化として出して頂ければ幸いです。
17番に入ってからの息の長いaccelerando、返したときはバッチシ行きましたので、それを思い出して下さい。前回の最初の感じだと、ちょっと前に行きづらかったです。
32番、ここに入ってから僅かにテンポ感が落ちる時があったので、前に出来ている推進力のまま突撃し続けて下さい。
38番3つめ、アクセントの連続は更に暴力的な音でお願いします。
2楽章、不用意にテンポが上がってしまうところだけ、気を付けてください。
53番4つ前にあるような、弦も管もですが、2拍子系のヘミオラが、どうしても速くなりすぎです。その後の付点のリズムも、あと一息、テンポ踏みしめながら、走らないようになさって下さい。
74番最後ですが、ド最後のアクセントを思いっきり嫌味ったらしく、強調してください。吐き捨てるような音。
3楽章に限っては、本番の会場の響と、最終的にようやくトラの方を含めまして、勢ぞろいしますので、幾分更に落ち着いたテンポに耐えれそうであれば、前回よりテンポを落としたいと考えています。
P、ppが音量もう少し落としたいところです。音量の問題もそうですが、それによって音色が変わってくるのですね。アイスバケツチャレンジというのがありましたが、ppチャレンジと思って、とにかく誰よりも小さく弾くつもりで、FFの盛り上がりとコントラスト為して下さい。 神経を使いますが、ショスタコの冷たさを徹底して表現します。
89番、ピークのところですが、FFは、あと一段、悲痛な音で聴こえれば幸いです。弦楽器、まだ常識の範囲内の音も聞こえてきますので、ここに関しては、例外的に、ギーっとなって構いません。楽音というより、犠牲者のうめき、叫びそのものです。
87番、フルートで72に上がっていたテンポ感が、50に落ちます。ちょっと私も油断すると落としきれていない時があったので、気をつけたいと思います。
96番、この曲の最後4小節、弦楽器は完全non vibでお願い致します。
4楽章、
冒頭、前回返した時の、速めのテンポ感が良かったです。逆にコントロールが必要にもなってきますが、疾走感を大事に、あの勢いで本番行ければと思います。Accelerando、上手いこと作りたいと思います。
111番6小節前のメロディーGの音ですが、アクセントをつけて強調なさってください。
115番以降の冷たいp、ppは、極めて音色、音の移り変わり繊細に。透徹した冷たさを出すため集中します。
134番2つ前からの最後のフルパワーですが、独裁政権に強制させられて万歳を言わされている民衆の、ちょっとゾッとする盛り上がりと、真の意味では、ショスタコはこの曲を書くことに成功し勝利したので、ファンファーレというよりも、言葉や歌詞を当てはめるなら、カーシングというか、罵詈雑言を叫んでいる感じになります。
本番、金管の咆哮と、その他8分音符の、強制労働感と相まって、特別な表現になるように期待しております。
ド最後の音も、管楽器は吹きなおす感じ、弦も上手いこと弓を使って、思いっきりやっちゃってください。
スラブ舞曲
テンポルバートがいろいろありますので、それに伴ったアンサンブルがまとまるようにだけ、お気を付けください。
(長文失礼致しました、本番よろしくお願いします。感謝!)
平林

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