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平林 遼 指揮者
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2017年1月3日火曜日

「音楽は祈りの具象化」



祈りというのは私にとって不思議なことでした。

祈ってどうなるのか、ただの迷信的な行為なのかと思っていました。



何らかの形で祈るというのは、世界の主要な宗教全てに共通しています。



何のために祈るかというと、それは天上の神なる存在、東洋的に言えば仏とつながるためですが、現代では、ただの作法として形式的に終わってしまっていることも多いでしょう。



キリスト教を見れば顕著ですが、教会建築・美術や音楽で、より神聖なるものを感じやすくさせています。

また音楽でその空間を神聖なものにすることで、人々が祈りやすく、天上につながりやすい環境をつくっています。



これは一見当たり前のことですが、実際に音楽には人と天をつなげる力があるということです。ただ、気分のためではありません。



日本人では実感が湧かない人も少なくないかもしれませんが、神に祈るというのは世界的に見たら標準的行為であり、欠かすことの出来ない行為として捉えている人の方が多いのです。



クラシックには祈りが具体化されたような曲が数多くありますので、彼らの作品によって、実際に祈りの効果が上がるということがあります。



ちなみにキリスト教だけではなく、ベートーヴェンの第9の様に、至高神にささげるためのメーソン的音楽や、神道の神楽などもあり、そもそも音楽は発祥において宗教的なものと共にありました。



それぞれの宗教の音楽には素晴らしいものがありますが、それぞれの宗教を超えた音楽が今後誕生していくと思います。



キリスト教音楽だけでは東洋やその他の文化の代弁者となりきることは出来ず、西洋音楽の普遍的な語法は地球音楽とでもいえるようなものに、形態を変えていくと思いますし、更に宇宙的なものにその表現規模は拡がっていくと思われます。