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2018年6月17日日曜日

「書評 本の感想 いい緊張は能力を2倍にする 樺沢紫苑著」

精神科医で作家の樺沢先生の本は数冊読んできており、今回は本の感想ということで、新刊、いい緊張は能力を2倍にするについて、述べたいと思います。

緊張は味方につけると良いものであり、過緊張と適正緊張、リラックスとの間を、呼吸法などの具体的方法でコントロールする、という提言は、非常に新鮮なインパクトがあると同時に、また実践的で大変参考になりました。

こう考えると、今まで獏としていた、緊張に対してのイメージがプラクティカルに整理され、多くの人が、プレッシャーを感じる場面などにおいて、心構えを実際に変えることが出来ると思いました。

また、具体的・実践的な方法に留まらず、禅的・仏教的な発想にも通じるような心構えも説かれており、そのバランスが勉強になりました。

自分、自分ばかりを意識せず、他者のためにフォーカスすること、また感謝を大切にすることが緊張を緩和する、といった記述も、具体論・実践論に併せて述べられると、ある種の新鮮さを感じるものでした。
上手にやろうと思わないと言った心構えも書かれており、ある種の執着を去るという意味にも取れました。

樺沢先生の本は、世界の最先端の論文などの根拠に基づき、実践的で具体的な智恵が書かれていることが特徴だと思いますが、今回もプレゼンでの質疑応答の準備の仕方など、実践可能なアイデアが細に入っていると感じました。

私はオーケストラの指揮者ですが、個人的には、手のツボ押し、呼吸法、筋肉の脱力などは、実際に演奏の前など、即座に使いたいと思いました。

はじめに書きましたが、 「緊張」という漠然とした魔に、明確な定義と分析をし、対処法をクリアーに総覧した点が、何よりのこの本の新しさであり、良書たる所以と言えると思いました。

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